パッケージング


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みなさん、海外でCDやDVDを購入したことがありますか? 外国製のCDなどの透明ラッピングフィルムをはがすのは、僕の「日々小さなイライラ番付」の中でも大関級。ほとんどに、簡単に開封するための目印のテープが付いていないため、はさみを使わないではがすのは、至難の業だ。時にはつめや歯まで総動員することになる。僕みたいに長年日本に暮らしていると、目印のテープが付いているのは当たり前。海外の製品にまだ付いていないことが時代遅れと感じてしまう。

 さて、日本のラッピング技術の中でも、僕が一番感動したのは、おにぎりのラッピングフィルム。印刷された指示通りに作業すれば簡単にはがせるのは本当にありがたい。開発者には勲章をあげたいくらいだ。

 パッケージといえば、郵便局やコンビニなどで販売されている「キットメール」も気に入っている。ご存じ「キットカット」の箱に切手を張れば、そのままポストに投函できる。こうして、受験生など応援したい知り合いに、「きっと勝つ」というメッセージを郵送できるわけ。

 もともと外国語の「キットカット」と、日本語の「きっと勝つ」を引っかけたダジャレを、キットメールを始めとするプロモーションに結びつけたのは、クリエーティブ戦略家を名乗る関橋英作氏。こういう「あとひと工夫」は、日本企業の財産だと僕は思う。


Posted at 01:44 午後     Read More  

 ひな人形


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3月3日にひな人形を飾った皆さんは、もう大切なおひなさまを押し入れに片付けてしまったに違いない。「ひな人形を遅くしまうと、娘の婚期が遅れる」と言われれば、やはり気になるし、時期が過ぎたらすぐに片付けて、子どもにいいお手本を見せたいという親

の気持ちは、この習慣によく現れている。

 2月から3月初めまでに来日した外国人は必ず、ホテルやデパートなどに飾ってある立派な七段飾りの写真を撮る。顔を近づけて、人形が細かいところまでていねいに作られているのに感心している人もしばしば見受ける。

 日本に住んでいる外国人の中には、場所をとらない親王飾りを買い求めて、リビングのデコレーションとして楽しんでいる人もいる。日本人の習慣を知らないのか気にしていないのか、一年中飾りっぱなしにするのが普通だ。日本人にとっては違和感いっぱいの光景だろう。

 でも、職人が心を込めて作った美しい人形なのに、一年のほとんどを段ボール箱に眠らせてしまうのは切ない気持ちもする。女の子が大きくなって無事に結婚したら、役割を終えたひな人形は押し入れにしまわれたままだ。心優しい人ならば、お寺に供養を頼むのだろう。この習慣をフランス人の知り合いに説明したら、即座に「もったいない!」ときっぱり言われた。「いらないなら、私に下さい!」。人形にしてみれば、それもうれしい運命かも知れない。


Posted at 01:40 午後     Read More  

刺し子のパソコンバック


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 数カ月前、即売会場で見たパソコンバッグがとても気に入り、購入した。僕のようにフリーで仕事をしている外国人にとっては、ビジネスバッグのような「まじめ」な商品の方が本当は無難なところだが、この和柄バッグはつくりも丈夫そうだったので、衝動買いしてしまった。

 その即売会場は「職人道楽」というブランドの小物を主に扱っていた。「二重刺子織り」を素材にしているのが、このブランドの特徴だ。厚手の綿布を太い木綿糸で補強した刺子の技術は、昔は火消し半纏、今でも剣道着や柔道着に使われている。藍染めの柄は落ち着いていて粋を感じさせる。職人の知恵や匠の技を生かしながら、今の時代に必要とされている機能をうまく融合させた「職人道楽」の商品を、僕はとても気に入っている。ノート型パソコンは毎日持ち運ぶツールなので、衝撃から守りたい気持ちはどのユーザーも同じだ。そこに丈夫な刺子の技を生かすのは、とてもクールに感じる。

 おもしろいことに、このパソコンバッグを打ち合わせ先に持っていくと、日本人、外国人を問わず話題になり、とても評判が良い。同じシリーズの携帯ホルダーも持っているが、これをベルトに掛けてお寿司を食べに行ったら、寿司職人さんの目にとまり、購入元などを尋ねられ、会話のきっかけになった。おかげで、初めて入ったお寿司屋さんだったのに、いきなり常連さんの気分になれた。



Posted at 06:21 午後     Read More  

 コンビニのATM


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コンビニのマルチメディアステーション端末機は、東京での日常生活に欠かせないアイテムの一つだ。コンサートなどのチケット手配の他、プリペイド式携帯電話代の支払い、宅配便の手配、レジャー施設の予約など、利用する機会はとても多い。コンビニはどこにでもあるから時間が節約できる。わずかに停止する時間があるとはいうものの、ほとんど24時間使えるから、自分の都合に合わせて好きな時に利用できる。

 その場で切符をゲットできるから、日本に住所を持っていない観光客でもだいじょうぶ(わざわざ劇場などの窓口まで行くのって、土地勘のない外国人には大変でしょ)。セブン・イレブンのATMでは、海外のクレジットカードでの現金引き落としが簡単にできるようになったので、口コミやガイドブックなどで観光客にも知られるようになった。外国人にも優しいサービスがコンビニに増えてきたのを実感するが、端末すべてに英語表記の画面がないと、日本語のできる外国人しか利用できない。海外からの観光者が増えているのだから、そこのところをもう少し配慮してほしいとも思う。




Posted at 06:13 午後     Read More  

 年賀状


  今年最初のコラムは、新年にふさわしいテーマから。元旦に年賀状がたくさん届くのは、毎年とても楽しみだが、日本に来るまで、僕は年賀状というものがこの世にあることすら知らなかった。

 ご存じのように欧米では、親類や親しい友人にクリスマスカードを送るが、その規模というか枚数は、年賀状がはるかに勝っている。日本郵政株式会社によると、08年に配達された年賀郵便の総数は約30億枚。人口1人当たり30枚弱だ。また、グリーティングカード製造・販売のホールマーク社の調べによると、日本の倍以上、約3億の人口を持つ米国で、05年に送られたクリスマスカードの数は約19億枚。1人当たり6枚強の計算だ。なんと日本の方が5倍も多い。

 今年、初めて日本のお正月を体験した僕のフランスの家族に、年賀状を元旦に配達するために、年末年始は大勢のアルバイトが動員されていることを説明したら、驚いていた。「フランスだったら、祝日の元旦は郵便配達係も全員休みで働かない。アルバイトまで雇うなんてあり得ないなあ」

 フランスでは近年、郵政合理化のツケで、書留さえちゃんと各戸に配達されてない。「サービスは低下しているのに、年末には1年の苦労(?)に報いろとばかりに、各家庭に心付けを求めてくるんだから」と家族はぼやいた。日本とは正反対。こんなところにも現れる、日本のサービス精神!



Posted at 09:04 午後     Read More  

 太陽光発電式街灯


HybridLampUshigome.25CropW.jpg  先頃、東京新宿区の牛込中央通りに、太陽光と風力で発電する街灯が12基設置された。背の高い「あんどん」のような外見。太陽光を受け止めるソーラーパネルと風車が取り付けてある。消費電力も二酸化炭素排出量も、もちろんゼロだ。そう聞いて、付近住民の僕も、なんだかうれしくなった。なぜなら僕は、エコロジーはこういう小さな工夫から始まると思っているから。しかし限られた地域の出来事というだけでは、単なる面白い試みで終わってしまう可能性がある。もっと全国規模に広げないと。

 たとえばフランスでは最近全国で、「自転車共有システム」が広まりつつある。昨年パリで始まって評判になったものだ。市内に1500カ所の乗り場があり、日本のママチャリに似た自転車2万台が備え付けてある。無料ではないがとても安いので、都心の乗り場では「品切れ」になることも。1年間で2千万件を超える利用があったという。渋滞がずいぶん解消されたし、空気がきれいになったと好評だ。

 日本だったら、どんなことができるだろう。たとえば、自動販売機を太陽光発電式にするというのはどうだろうか。いきなり全部は無理だから、まず東京から始める。日本は世界一自販機の多い国、かなりの節電効果が期待できる。世界にもバッチリ日本の技術と環境への取り組みをアピールできると思うのだが、いかが?



Posted at 04:44 午後     Read More  

 携帯灰皿


 CendrierPortable12_cropW.jpg 僕と同じように日本に長く暮らすフランス人の友人は愛煙家。子どもたちへの影響を考えて、家の中では吸わない。ちょっと時間ができると外に出て、思う存分たばこを楽しむ。その時、欠かせないアイテムは携帯灰皿だ。

 「以前、街頭で配ってるのを手渡されたのがきっかけ。今では必需品ね。フランスにいた頃は、吸い殻は道に捨てて踏み消してたんだけど、振り返ってとっても恥ずかしいわ」

 日本たばこ産業(JT)によると、携帯灰皿自体は70年から作られているという。しかし急速に普及したのはここ数年。喫煙マナー向上が叫ばれ、広く市販されるようになった結果、今年7月の調査では、喫煙者の4割弱が常時持ち歩くまでになった。

 友人は「たまにフランスに帰る時には、日本でたばこを買いだめするの。フランスではたばこが日本の倍も高いでしょ。もちろん、愛用の携帯灰皿も荷物に詰め込むわ」と言う。フランスでそれを取り出すたびに、愛煙家たちはびっくりして、「これは何?」。説明すると、「賢い!」「僕も欲しいから今度買ってってきて!」などの反応があるという。

 フランスでは今年の1月からカフェ、バーやレストランなどでの喫煙が禁止されるようになった。愛煙家は路上に出て、店の前で吸う羽目になっている。さて、携帯灰皿は、いずれフランスでも普及するのかしら?



Posted at 04:37 午後     Read More  

 i-REAL


 Toyota_iReal-119_CropW.jpg 今、お台場にあるトヨタの展示・イベントスペース「メガウェブ」に行くと、「i-REAL(アイリアル)」の運転体験ができる(10月2日まで)。

 i-REALは昨年のモーターショーで初めてお目見えした、1人乗りの電気自動車。前に二つ、後ろに一つ車輪がついていて、屋根もドアもない。歩く速さで走ることもできるし、シートを少し倒せば時速30キロまで出せる。まだ商品として売り出されたわけではない。新しモノ好きの僕としては、絶対に見逃せないイベントだ。

 乗ってみたら、あんまり簡単に運転できるので驚いた。向きを変えるのも速さを調節するのも、レバーの操作一つ。安定しているから、自転車と違ってバランス感覚もいらない。5分もあれば覚えられそうだ。

 外国人も大勢見に来ていた。日本の運転免許を持っていることや日本語が分かることが試乗の条件と聞いて、残念そうだ。

 どんなところがクールかって? まず、デザインがカッコイイでしょう。普通の自動車よりずっと小型だから、1人で出かける時に大きなクルマを使わないで済むし、渋滞の解消にも役立ちそう。

 「リアル」と名づけられているということは、近い将来実用化されるのだろうか。バッテリーの性能が十分でないなど、まだ課題が多いと聞くが……。もし街を走れるクルマとして登場したら、僕もぜひ乗りたい!


Posted at 06:16 午後     Read More  

 ふろしき


Furoshikiya.03CropW.jpg  先日、神楽坂を歩いていたら、ショーウインドーのフランス語にふと目が行った。「お買い上げのふろしきでラッピングします」。このあたりにたくさん住んでいるフランス人を意識しての表示だろう。そこはふろしき専門店。いかにも日本的なものからモダンなものまで、さまざまな色や柄や素材のふろしきが用意されている。その数なんと400種類以上!

 最近、環境問題への関心の高まりからエコバッグがブームだが、その流れからすると、ふろしきのブームが起こってもフシギはない。何度でも使えてたいていのものは包めるうえに、小さくたためるから場所をとらない。環境相だった小池百合子氏は在任当時、「もったいないふろしき」を考案して、ふろしきを活用すればゴミを減らせるとアピールしたではないか。そのせいかどうか定かではないが、あちこちの店で売られているのを見かけるようになったし、専門店も増えているらしい。

 外国の友人にプレゼントする時、包んだふろしきごと贈るのもまたクール! 和風の柄だと、インテリアとしてもクール! と、とても喜んでもらえる。

 僕が気に入ったのは、ソムリエの資格を持つこの店のオーナーがデザインしたブドウ柄。昔は一升瓶を包んだそうだが、もちろんそうでなくてもかまわない。包み方を教えてもらったので、今度誰かにワインをプレゼントする時には、絶対使ってみようと思う。


Posted at 10:40 午前     Read More  

 スリッパ


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  室内では靴を脱ぎ、くつろぐ日本の習慣を、僕自身はとても気に入っている。しかし、個人の家のみならず旅館や居酒屋、寺社仏閣に出入りするたびに、靴ひもをほどいたり結んだりしなければならないことに、ブツブツ文句を言う欧米人は少なくない。

 室内でも靴を履いたまま、ベッドやソファも靴を脱がないで寝そべるのが当たり前の欧米で、よその家に招かれた時、もし靴を脱いだりしたら、よほど親しい間柄でないかぎり、「くつろぎすぎ!」と非難されるだろう。

 ところで日本のオフィスでは、靴をスリッパやサンダルに履き替えて仕事をしている人をしばしば見かける。あれには、日本に長い僕でも、かなり違和感を覚える。ビジネススーツとはちぐはぐな組み合わせだし、そもそも内と外で履き替える、という発想がないからだ。

 靴を脱ぐと差し出される室内用のスリッパ。欧米人はそこでまず面食らうのだが、さらにトイレでべつのスリッパに履き替える、というのにはますます面食らう。トイレに用意されているスリッパがあくまでトイレ専用で、玄関に用意されているものとは役割が違うことを、とっさには理解できないからだ。もしかするとみなさんも、旅館などで、うっかりトイレスリッパを履いたまま、廊下をうろうろ歩く欧米人を見かけることがあるかもしれない。その時は、このコラムを思い出して、大目に見てほしい。


Posted at 10:21 午前     Read More  

 自動販売機


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 統計によると、フランス国内の自動販売機の総数は、日本の1割にすぎないという。フランスに限らない。日本以外の国には驚くほど自販機が少ない。

 たとえばフランスの町で、カフェやスーパーの営業時間外にちょっとした飲み物を買いたくなったら、かなりの苦労を強いられる。そしてほとんどの場合、のどが渇いたままあきらめざるを得ない。道端に自販機が1台もないからだ。置かれても間もなく破壊され、中身を盗まれるからとか。さすがにパリの地下鉄のホームには自販機があるが、防犯のため、まるで金庫のように頑丈な代物だ。

 自販機で買える品物は多種多様。その分、世の中への配慮も怠りない。酒の自販機は、夜11時以降は買えない仕組みになっている。成人雑誌の自販機は、夜は表紙が丸見えだけれど、日中、子どもが通る時間帯には中身が見えないようになっている。

 モデルチェンジや機能の更新がひんぱんなのもよい。新しい物好きの僕は、携帯電話のQRコードで買える機能ができた時も、最近のSuica携帯対応になった時も早速やってみたクチだ。初来日した人と一緒の時にそうやって飲み物を買うと、必ず驚きの目で見られる。つい先日も、成人であることを証明するtaspoが必要なたばこの自販機の報道を目にしたばかりだ。これからも自販機の新機能には驚かされるだろう。自販機の未来に(缶飲料で)乾杯!


Posted at 09:44 午前     Read More  

 サービスロボット


 smartpal01-CropW.jpg 先週末、東京・有明で行われた「国際ロボット展」を取材した。展示は主に産業用ロボットだが、「サービスロボット」のコーナーには、掃除や警備、調理、教育、介助など、生活の場で人間とかかわるロボットも出品されていた。もしかすると数年後には、このようなロボットが一般家庭にまで入ってくるのかもしれない。

 欧米人にこうしたサービスロボットの話をすると、これまでだったら、こんなもの本当に必要なの? とけげんな顔をされることが多かった。日本人は鉄腕アトムなどのおかげで、ロボットに好意的だ。しかし欧米では昔から、ロボットは人間のパートナーではなく労働者の職を奪う敵と見なされていて、今でもそれが一般的な認識だ。だから欧米では、日本のサービスロボット開発は正直、半分バカにされていたのだ。
 それが一転、国際的な場で賛同を得る画期的な場面に、今回遭遇した。ロボット展の催事の一つとして行われた「ロボットサミット」で、スイスの産業用ロボット大手、ストーブリ社のアジア・太平洋地域マネジャー、サイモン・ウィットン氏が、将来、高齢者の医療や介護にはロボットの助けが不可欠になるだろう、と発言したのだ。このことを日本人の研究者以外の口から聞いたのは初めてで、とても驚いた。
 発言の背景には、2050年には地球の人口の2割強は60歳以上になる、という事情があるのだろう。日本のサービスロボットが世界をリードする日は近い?

Posted at 07:05 午後     Read More  

 100円ショップ


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皆さんおなじみの100円ショップ。よく外国人を見かけるなぁ、と思ったことはないですか? 「日本の物価が高いから100円ショップで我慢しているのかな……大変だなぁ」と、きっと同情したことでしょう。

 でもちょっと待って! 金銭的に助かることは確かだが、実は外国人が100円ショップに通う理由はもう一つある。この値段でこの品ぞろえはただ一言、「クール!」。
 外国人の感覚では、安い店=コストを徹底的に削減する店。サービスや保守はあまり期待できない。商品の並べ方だっておざなりで、もしフランスにあったら、よっぽどお金がない人以外は入りたがらない店になるだろう。なのに日本の100円ショップでは、店の中はぴかぴか、商品も丁寧に並べられていて、よその「お高い店」と変わらない。
 フランスから来日したマーケティング専門家を100円ショップに連れていくと、「同じような店がフランスに現れたら、地元の店は大変だろうな……」と心配している。
 外国の子どもたちにも、100円ショップはメルヘンの国だ。1個のモノにワンコイン。コンセプトが子どもにも分かりやすいので、「初めてのお買い物」にも最適。初めてもらったお小遣いは、たいてい100円ショップで使う。知り合いの子どもに「日本は好き?」と聞いたら、「ウン、100円ショップがあるから!」。こんな店のおかげで、日本は、子どもにとってもクールな国のようだ。

Posted at 03:00 午後     Read More  

 「パソロボ」がやってくる


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23日から、上野の国立科学博物館で「大ロボット博」が始まり、テレビなどで話題になっている。鉄腕アトムを生んだ日本で、ロポットは産業用だけでなく、人間のようなニ足歩行タイプでも世界最高水準だ。

僕はロボットには非常に関心があり、先週末は「アキパ・ロポット運動会」を取材した。ロボットの競走や、先端ロボットの実演などが行われるイベントだ。

去年は最先端技術を使ったホンダの「ASIMO」や、ココロという会社の人体型ロポット「アクトロイド」が紹介されたが、今年は自分で組み立てるようなホビー系の小型ロボットが主流だった。

その理由をロポット運動会の妹尾堅一郎エグゼクティブプロデューサーに尋ねた。「ロボットは研究所や大手企業だげのものというイメージがあるが、家庭でも楽しめることをこのアキパ・ロポット運動会を通じて強調したかった。三十数年前、パーソナルコンビューターが秋葉原から広まったように、パソロポ(パーソナル・ロボット〉もいずれ全世界に普及すると思っている

会場で、「ファミロボ」の名で知られる3人家族と出会った。お母さんと娘さんが、お父さんの組み立てたロポットで対戦競技に参加している。お母さんのロボットはハロウィーンのコスプレ。娘さんの操縦テクニックはとても迫力があった。

体験・参加を柱にしたロボットイベントが結ぶきずなは、いずれ日本から全世界に普及すると確信した。


Posted at 03:41 午後     Read More  

 透明傘


 
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悔雨である。

梅雨といえば傘。知り合いのフランス人漫画家ピエ一ル・フェラギュは、透明傘にとても感動している。

説者の皆さんは意外と思われるかもしれないが、日本ならば1 00円ショップでも買える透明傘を、フランスでは見たことがない。

ピエ一ルは漫画の中でも透明傘の利便性を紹介した。歩道いっぱいに人がひしめく東京の街では、不透明の傘は不便だ。前方を確認できず歩きにくいし、向こうから来る人といつぶつかってもおかしくない。

傘の歴史が長いヨ一ロツパでは、布製が常織で、ビニールの傘はほとんど見かけない。男性はシックな黒や紺色の大きめの傘、女性は折り畳み式か色鮮やかな傘が主流だ。透明傘はあまりおしゃれではないが、土砂降りの時には、おしゃれより実用が優先。それもジャパンセンスの一つだ。

透明傘といえば、自治体や駅などの無料の貸し傘サ一ビスが、僕はとても好きだ。朝の天気予報をよく調べ、雨の降る破率が高ければ、傘を忘れずお出かけするのが日本人の常識。とても賢明だ。でも、僕のように傘をあちこち忘れる人に、このサ一ビスはとてもありがたい。 おかげで何度も助かった。もちろん翌朝、ありがたい気持ちでその傘を駅に返す。しかし話によると、返却率は低いようだ。 それでもこのサ一ビスがなくならないことを、僕はとても評価する。営利を離れて市民を思いやる点はさすが日本の 住みやすい社会

もク一ルジャパンの一つだと思う。


Posted at 01:20 午前     Read More  

 新・三種の神器


 wc「フジヤマ、ゲイシャ、タクシーの自動開閉ドアー」は長いこと外人観光客にとってのイメージだった。「三種の神器」にも等しいクールジャパンだ。でも、時代は変わった。ここでは、21世紀にふさわしい新しい三種の神器を提案したい。

まず、フジヤマより、「アキハバラ」。この街は今、外国人観光客が訪ねる機会のもっとも多い街になった。家電製品量販店はもちろん、オタク系の店も注目を集めるようになり、英語や中国語のガイドブックにも載っている。

そしてゲイシャより、「ギャル」。昔の日本映画にはしばしば、和服姿の芸者さんが登場した。しかし芸者に限らず和服の女性を街中で見かけることは、今ではあまりない。その代わり、海外に進出したマンガやアニメのおかげで、ギャルは日本女性の象徴にまで成長した。彼女たちはかつての芸者と同じように、異国情緒への憧れをくすぐる存在だ。

最後に、タクシーの自動ドアより、近づくと音もなく開く「自動開閉トイレのフタ」。これがどれほど、この国の合理性お技術力を外国人に面白くおかしく伝えるアイテムであるか、日本人には想像できないだろう。洗浄便座すらない国々から来た人が、高級レストランやホテルのお手洗いに入り、初めて自動開閉トイレのフタとばったり「出会う」瞬間。それはもう、未来都市に流れ着いたような体験だ。

この新しい三種の神器は、これからますます海外で、日本の代名詞となるに違いない。










Posted at 04:13 午後     Read More  

ママチャリの前乗せベビーチェア



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去年の春、2才と5才の娘を連れて、兄夫婦が念願の初訪日を果たした。本当は子供が生まれる前から奥さんとカップルで来たかったが、中々実現できないまま年月が経って、長女がもう5才。

「二人の幼い子供を連れて日本を観光をしたいなんて!」と僕は半信半疑だったが、本人はやる気満々だったので喜んで東京へ招いた。

日本のことを全く知らない兄一家が、東京から関西へ大移動。兄は京都の泊まり先の民宿で借りたママチャリにとても感動していた。娘をハンドルの間に設置されているベビーチェアに座らせて、町中を漕ぎ回ったそうだ。彼に感想を聞いたら、「子供を後ろに座らせると見守れないので親としてはとても不安だ。娘も風景を楽しみながら日本を探検できたので、上機嫌」。

信じがたいかもしれないが、フランスには、自転車の前乗せベビーチェアが存在していない。こんな便利なモノなのに、とがっかりしていた兄。「どうしてこういう発想は日本以外にないのかしら?こういうとても実用的かつシンプルなモノはとてもクールだ」。

毎日のようにこういうママチャリを見慣れている僕はさすがに意外なところを指摘されたと思った。前乗せのベビーチェアが子連れの外人にとってクールなんて、読者の皆さんも信じられる?唯一のネックは、前述したようにフランスにはこういうチェアが売っていない。

帰国した兄はメールで一台を僕に注文した。前乗せベビーチェアはクールかも知れないが結構場所ふさぎの機内荷物だ。兄ってば・・・


Posted at 01:49 午後     Read More