土曜日 - 4 月 19, 2008
パリの日本語e学習
日本のマンガやアニメにのめり込んでいる外国のファンの中には、本格的に日本や日本語に目覚める人も多い。フランスの場合、パリのような都会に住んでいれば日本語学校もあるし、在仏日本人も多いから個人レッスンを依頼することができる。しかし地方在住の人はいくら勉強したくても、日本語を学べる環境どころか、まわりには日本人すらいない。地方在住者の日本語熱は冷めるのを待つしかないのか?!
そんなニーズにいち早く気づいたパリの老舗日本語教室Espace Japonは、動画と音声を組み合わせた独自の日本語教材を1年間かけてオンライン化し、昨年の暮れに学習サイトjeparlejaponais.comを開設した。
日本語学習のeラーニングは、僕の知っている限りこれが初めてだ。受講者は自分のレベルに合った教材に好きな時間に自由にアクセスし、自分のペースで学習を進めることができる。事前に予約すれば、ウェブカメラを通して日本人の先生からマンツーマンの指導を受けることができるから、発音のチェックもばっちり。
僕ものぞいてみたが、登場人物はいかにも日本人らしいし、場面の設定も日本の日常をよくとらえているし、日本語教育25年の蓄積が生きていると感心した。
クールジャパン・ブームの裾野はこうやって、さらに広がることになるのだろうか。まだ立ち上がって日が浅いが、今後の成り行きが楽しみだ。
Posted at 09:33 午前 Read More
金曜日 - 10 月 12, 2007
アブダル・マリク

このほど初来日したスラム歌手のアブダル・マリクは、このジャンルでフランスを代表する存在だ。スラムは、簡単に言えば詩の朗読に伴奏がついたパフォーマンスだが、ラップとはまたひと味違う。
マリクは1975年生まれ。コンゴからの移民2世として、ドイツ国境に近いストラスブール郊外の貧しい団地で育った。彼は以前から日本に関心を持ち、今回の来日を楽しみにしていた。しかし、「日本に来てみたら、驚くほど外国人が少ないのはなぜだろう。僕の弟はヒップホップ歌手だけれど、マンガが大好きでしばしば日本に遊びに来ているし、曲やプロモーションビデオの中に日本の要素をいっぱい入れている。こうやって日本が好きで興味を持っている若い人が増えているのに」。
日本は日本人だらけ。これは、彼に限らず日本を訪れた外国人が必ず抱く感想だ。僕は労働ビザのとりにくさなど、外国人のフラストレーションの種になっている日本の閉鎖的な制度について説明した。すると、彼はこう言った。「フランスは多くの国から移民を受け入れて、今では多民族社会だ。僕は移民として生きるつらさを、自分や仲間の体験を元に歌ってきた。でも、異文化とかかわり合うことには、良い点だってある。僕は音楽を通じて、このことを日本の人にも伝えたい」
彼のコンサートを訪れた人々は、おそらく彼のフランス語の詩を理解できなかったろう。しかし彼の音楽の心、民族を超えた人類への愛のようなものは、伝わったに違いない。
Posted at 06:51 午後 Read More
金曜日 - 10 月 05, 2007
日本紀行今昔
僕が初めて日本に来た80年代後半、この国に関心を持った僕みたいな若者の旅は、辞書片手に何もかも1人で調べながらの冒険だった。パックツアーに参加するお金のなかった僕には、限られた滞在期間に、共通の趣味を持つ日本人と知り合うチャンスはまずなかったし、関心のあるイベントの情報を手に入れることもほぼ不可能。
しかし20年を経て、冒険を取り巻く環境ははるかに良くなった。たとえばAutrement le Japon社はフランスから、格安日本カルチャー・ツアーを主催している。代表の平山幸枝さんによると、初めて日本に来る若者の関心は、圧倒的にマンガやアニメ、J−POP。先日も50人くらいが来日したばかりだ。 ツアー参加者には事前に、イベントやコンサートの情報が提供されているから、好みのものに申し込んでおけば、日本に知り合いがいなくても大丈夫。おまけに、日仏交流イベントでは、日本人参加者たちと居酒屋で楽しく過ごすことができる。平山さんが「ミクシィ」上に設けているコミュニティーを通じて応募してきた彼らは、「日本のポップカルチャーに関心のあるフランス人」たちと同好の土ばかり。お互い初対面だけれど、片言のフランス語や英語、そして日本語で、大いに盛り上がっていた。
ミクシィのような「コミュニティーサイト」のお陰で、同じ趣味を持つ外国人同士が簡単に交流できるなんて、うらやましい!
Posted at 06:42 午後 Read More
金曜日 - 7 月 06, 2007
ジャパン・エキスポ
今日から3日間、パリ郊外でジャパン・エキスポが開催される。今年で8回を数えるこのイベントは、フランス全国の日本びいきの人々にとってはずせないものだ。昨年は3日間で6万人強が参加し、今年はさらに増えて7万5000人の動員が予想されている。
昨年は、土屋アンナのコンサートや渋谷系ストリートファッションのショーが開催され、ファンが殺到した。今年は、元X.JapanのYOSHIKIの会見とサイン会やプロレス大会の他、武術、日本語会話入門、書道、カラオケ大会、コスプレ・コンクールなど、Jファン(日本にあこがれる若者)の関心は多彩だ。
十数年前、日本のマンガやアニメに関心を持つフランスの若者は少数派だった。彼らは定期的にパリ市内の日本人向け書店の前に集合し、情報交換をしていた。僕も何度か取材したことがあるが、その熱心さは今でも記憶に残っている。
当時、フランスのテレビや新聞が日本のサブカルチャーを伝えることはめったにない。しかしネットを通じて生の情報にアクセスできるようになった結果、Jファンと呼ばれる層ができあがるまでになった。彼らにとって、行きたい国ナンバーワンはもちろん日本。しかし、ほとんどがまだ、一度もあこがれの国を訪ねたことがない。そういうファンにとって、ジャパン・エキスポはパスポートのいらない日本への旅の始まりなのだ。
Posted at 09:58 午前 Read More
金曜日 - 4 月 20, 2007
和紙はジャズ

東京・お台場に作られた特設会場「ノマディック美術館」で行われている「Ashes and Snow」展に行った。カナダ出身のアーティスト、グレゴリー・コルベールの大型写真50点以上と映像が展示されている(6月24日まで)。
コルベールは大自然の中の動物と人間の触れ合いを題材に、南アジア、アフリカ、南米などで、チータと老女、ゾウと少年などの交流を、15年間かけて撮り続けてきた。彼の写真の優れた点は、人間と野生動物の穏やかで心静かな瞬間を捕らえているところにある。両被写体の融和は、神秘的な体験とすら言える。
この展覧会を見に行ったもう一つの理由は、コルベールが作品のプリントに使っている紙に興味あったからだ。横長の作品でおよそ2.5×3.5メートル。すべて、手漉きの阿波和紙に写されている。大きさはもちろん、厚さや色みなどもコルベールの要請に合わせた特注品だ。
この有名なカメラマンに和紙の魅力を尋ねた。
「いろいろな素材を使ってみたが、和紙は僕の作品に一番合っている。題材と素材がぴったり融合しているのだ。光の写り方が他の紙とは全然違う。温かい、三次元的な表現ができるし、手作りなので同じモノは二度と作れない。和紙はジャズのように、アーティストの遊び心をもっとも表現できる素材だ」
日本の伝統的な技法を代表する和紙は今、意外なところに使われて、改めて評価されている。
Posted at 03:12 午後 Read More