裏原の外人ツアー


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 先週、外国人のための「原宿ウォーキングツアー」に参加してみた。2007年から毎年2月に行われているこのツアー、外国人観光客に東京・原宿のファッションを案内しようというのが趣旨。英語、中国語と韓国語のガイドがつく。

 今回の参加者は、台湾から来た女性3人と僕の4人だけだった。前回までは20人以上の参加者がいたそうだ。世界的な金融危機と急速な円高が、観光業界にも大いに影響をもたらしていることを、痛々しく実感した。

 大通りから1本入った竹下通りが、観光スポットとして注目されているのは周知の通り。しかし今はむしろ、修学旅行の中高生でにぎわう竹下通りより、とんがった店が集まると言われる「裏原宿」通称「裏原」の方が、関心を持たれている。駅から少し離れた狭い道に面して、小さな店が並ぶ一帯。

 僕たちも、路地の奧に隠れている小さなショップを案内してもらったが、少人数で歩き回った分、ガイドや商店会の担当者からは、より丁寧な説明を受けられたと思う。ツアー自体は?分で終わり、もし興味をそそられた店があれば、各自でもう1回じっくり見に行けばよい。土地に不案内だけれど短時間で原宿の街の雰囲気を味わいたい……そんな外国人にはぴったりの企画だろう。

 実は原宿駅周辺にはパチンコ店が1軒もないことを、僕はこの時教えられて初めて知った。読者のみなさんは知ってた?


Posted at 02:01 午後     Read More  

ゴスロリのショー 


 Baby-StarShineBrigtht.12_cropW.jpg 今週の火曜日、東京ドームの隣にあるJCBホールで開催されたゴスロリのファッションショー「INDIVIDUAL FASHION EXPO 4」を取材した。

 ゴスロリファッションのファンは海外にも少なくない。今回も外国人の女の子が数十人、人形みたいな姿で会場に現れた。わざわざ夏休みを利用して来日した人にも出会った。彼女たちにとっては、代表的なゴスロリ系ブランドの最新作をまとめて見るチャンスで、見逃せないイベントだ。もちろん国内のゴスロリファンもドレスアップして会場に殺到し、2400席の会場はゴスロリで埋まっている。

 「ベルサイユのばら」のようなピンクのフリル、ヴィクトリア朝風のロングドレス……それぞれのブランドが方向性の違う自己主張をしていて、「ゴスロリ」とひとくくりにできない多様性がある。大人からすれば常識はずれのスタイルは、いわば「目立ちたがり屋」向けだが、着ている若者側が発信しているのは、大人の作る社会よりも少女マンガの世界の方がずっと魅力的、というメッセージなのだろう。

 現実から逃避して、自己実現は空想の世界で。この思いは海外のヤングアダルトも同じのようだ。ゴスロリファッションを提案する日本のデザイナーは、こういう人たちに居場所を与えているわけだ。この分野、ますます活発になっていくだろうと、この日改めて確認した。


Posted at 11:14 午前     Read More  

 ゴスロリ・コスプレ


FinnishLoliFashion_CropW.jpg  いまさら改めて紹介するまでもないが、JR原宿駅近くの神宮橋は、毎週日曜日、ゴスロリやコスプレのメッカとなる。ゴスロリファッションや好きなバンドのライブ衣装に身を包み、メークもばっちり決めた人たちと、それを撮影する人たちで、橋はいつも大混雑。カメラ片手の外国人も多い。ガイドブックに、東京名所の一つとして紹介されているからだ。

 最近はゴスロリファッションを着こなす外国人女性もしばしば見かける。先日フラッシュを浴びていたのは、フィンランドから来た姉妹だ。本物の人形のように可愛い。今回で三度目の来日。滞在中の日曜日は必ずこの橋までゴスロリ姿で遊びに来ているそうだ。「中学生の時、学校に日本人の友だちがいたの。その子を通じて日本のマンガやファッションを知った。来てみたら、東京はすごく刺激的な街」と語るのは、ジャーナリスト志望のお姉さん。「フィンランドでの生活は、本当に退屈だから」。妹も、「絶対にこんな格好で街を歩けないもの」とほほ笑む。あれれ、日本では、フィンランドの福祉や教育に学べっていう議論が盛んなんだけどね。若い人には退屈な国なのか。

 2人とも、いずれは日本と関係する仕事をしたいと考えて、日本語を独学している。ヘルシンキから車で1時間ほどかかる彼女たちの街では、日本語を習う機会はないのだそうだ。彼女たちがあこがれを実現できますように!


Posted at 04:08 午後     Read More  

 パリのゴスロリ専門店


Kawaiko.09cropW.jpg  せっかくパリ滞在中なので、噂に聞いていたフランス初のゴスロリ専門店を訪ねた。

 都心部のとある店のショーウインドウに、渋谷の街で見かけるような服を着たマネキン人形が立っている。店の名前は「Kawaiko」。間違いなくここだ。「カワイイ」という言葉は、今や日本のポップカルチャーを象徴する万国共通語だ。

 中に入ると、服や厚底ブーツ、アクセサリーを始め、J−PopのCDやマンガ、グッズなどが所狭しと並ぶ。服を選んでいる20代の女性が2人。メイクや服装からして明らかに、映画にもなった人気マンガ「NANA」に影響を受けている。

 オーナーのコリーヌ・プローゼは、東京のティーンズファッションに憧れて、20年前からちょくちょく日本に来ていたという。昨年6月に店を持ってからは、裏原宿の服装にヒントを得た、彼女自身のブランドも展開しているそうだ。「直輸入の日本ブランドにしか関心がない本格的なファンもいます。でもフランスの日常生活に、日本のゴスロリファッションは過激すぎる。だからフリルやレース飾りを活かしながら、もう少しおとなしいデザインの服を安く提案しています。こうすれば、ごく普通のパリの女子高生も、憧れのスタイルを楽しめるでしょう」。

 フランスのファッション界が日本のストリートファッションにインスパイアされる。これまでとは逆だ。これが時代の流れ?


Posted at 09:27 午前     Read More  

鳶ズボン


tobizubon.04-opt.jpg ファッションっていうのは、面白いところから影響されるモノだ。日本人には思いもよらないモノが海外から来る人々にとっては超クールなのはよくあること。そしてその印象が、いずれハイファッションに導入される。10年以上前だが、知り合いの映画監督が来日した時、面白いことを言っていた。「ねぇ、日本の男子高校生が着ている服はどこで手に入るの?あの襟はたまらなく格好いい。あれをパリに持って帰りたい!」

彼が欲しがったのは学ランだった。専門店に連れて行くと、お店の人は驚きながらも丁寧に対応してくれた(監督は体がでかいのでぴったりサイズを探すのは大変だったが・・・)。彼のようなトレンドリーダーがそういう「レアな服」をパーティーなんかで着ると、欧米のデザイナーもそこから着想を得た新しい服を提案する。実際、ヨーロッパで詰め襟をよく見るようになった気がする。

次に注目すべきアイテムは、建築現場で働いている人々が履いている、あの鳶ズボンだ。アルマーニやディオールが好きなファッションエリートの日本人には縁遠い服だが、あの特徴的なちょっと出っ張っている裾の部分を見て、来日した知り合いが何人も「クール!」と感動していた。欧米のファッションショーに鳶ズボンが現れ、逆輸入される日が近いかも知れない。


Posted at 12:00 午後     Read More  

五本指靴下  


JdJuin2007-opt.jpg 今回は、長年の友人でもある女優のジュリー・ドレフュスと久しぶりに食事に出かけた際のお話。仕事柄、東京とパリを頻繁に往復する彼女。最近、日本から持って帰るおみやげで、もらう人々を最初驚かせるが、結果的にとても喜ばれるものがあるそうだ。

そのおみやげとは?五本指靴下だ。数年前までは、これを履くと人前で靴を脱ぐのがちょっと恥ずかしいと彼女自身も感じていた商品。

それが今や彼女の家族や友人の殆どが五本指靴下のファンになったそうだ。「お父さんも最初は抵抗感があったらしくて、一本一本指を入れるのが面倒くさくてブツブツ言ってたの。でも一時間も履いたら、長時間歩く日は五本指靴下しか履かないとまで言うようになったのよ」と、嬉しそうなジュリー。

ジュリーの妹は自信たっぷりに「パリのおしゃれなブティックに売り込めばヒット間違いなし!」と大絶賛。日本国内ではもともと、水虫対策にきくとしておじさんの間で人気だったそうだが、最近は脚が冷えない、疲れにくい、と評判になり、さまざまな色柄が発売されている。

「でも五本指でさえあれば、どの靴下でもいいと言うわけではないのよ」と、ジュリー。「シンプルな無地の黒いのが一番喜んでもらえるの。子どもっぽい柄の靴下はやっぱりいくら快適でも嫌みたい」

僕も愛用中だが、おみやげには考えなかった。メルシージュリー!





Posted at 04:26 午後     Read More  

ハローキティのコルセット  


CorsetFashion-opt.jpg ハローキティが海外でも大スターであることは、もはや読者の皆さんもご承知の通り。そのキティちゃん人気には二通りあることを、ここで説明したいと思う。

本来のターゲットである女の子向けのキャラクターとして定着しているのは、別にいまさら驚くことではない。香港や上海のデパートなどでも大活躍。キティはすでにディズニー系の子供向けキャラクターと十分対抗できる知名度を備えている。

 だが、キティは子供だけではなく、大人の欧米人女性にも受けている。おしゃれ感覚にうるさい彼女たちは、本来ならば、キャラクターはノーサンキュー! だが、キティちゃんだけが別格だ。ハローキティグッズは日本の若者文化に興味を持っている欧米女性にとって、欠かせないアイテムだ。キーホルダーでもいい、バッグやイヤリングでもOK。セクシーや大人ぽっさだけでマンネリしている欧米ファッションは、遊び心を求めて、日本流の「かわいさ」に目覚めたということだ。

 例えば、昨年の夏、パリ郊外で行われたジャパン・エキスポでは、キティちゃんのコルセットを見つけた。このイベントは、毎年フランス全国の日本ファンが集まるお祭りで、去年は三日間で六万人も動員した。そこでキティちゃんコルセットを試着していた女性に尋ねたところ、ハローキティは日本ファンにとって、「かわいい」の代名詞だそうだ。

 街でキティアイテムを身につけている欧米人女性を見かけたら、さり気なく声をかけてみてください。きっと「日本はクール!」と答えてくれるだろう。








Posted at 03:37 午後     Read More